沿革
概要
地区面積及び組合員数
実施している事業
土地改良区の役割
農業用水がもつ多面的機能
水土里ネットとは
- 本土地改良区は、国営及び国営附帯県営かんがい事業の実施申請と併せ、同時に管理負担団体として設立申請を行い、昭和59年6月1日付で設立認可された。平成17年3月、会津宮川土地改良区・会津高田町土地改良区・新鶴村土地改良区・坂下中央土地改良区が、土地改良施設の一元的な維持管理や賦課徴収を始めとする事務の効率化を図る必要から合併し、新しい「会津宮川土地改良区」が設立された。(認可番号:福第572号)
本土地改良区は、国営事業による新宮川ダムをはじめ、その他の国営及び県営事業によって造成された土地改良施設の維持管理と、国営・県営事業の償還業務が現在の主な業務である。
- 令和6年4月1日現在、約4,400haの受益地と約4,000名の組合員を有し、総代43名、理事11名、監事3名及び職員14名、嘱託職員1名の体制により施設管理、償還業務等を行っている。
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<福島県地図>
- 本地区は、福島県会津盆地の西部を北に向けて流下する一級河川阿賀野川支流宮川の左右両岸に位置し、大沼郡会津美里町(旧会津高田町・旧新鶴村・旧会津本郷町)・会津坂下町・会津若松市(旧北会津村)の1市2町を受益地とする地区である。
- 農業生産は、水稲作を柱に契約栽培作物、畜産及びキュウリ、インゲン、アスパラ、薬用人参、リンゴ、柿などの農業生産物によって農業経営が行われており、農業に対する依存度は極めて大きい。
- 本地区の主水源は、約60%が一級河川宮川に、約20%が宮川の支流の小河川、残りの約20%がため池、揚水機、小渓流に依存していたが、宮川本川においてさえ流域が狭小のため流況は不安定で、常習的な用水不足に悩まされていた。さらに、施設数が多いうえに老朽化により維持管理に多額の費用と労力を費やしており、また、宮川下流部の会津坂下町付近の低位部は基幹排水施設が未整備であったため、洪水時には水路が溢水し、湛水被害が生じていた。このため、これらの状況を改良し、大型機械農業経営に対応するため、昭和55年度に着手された国営会津宮川農業水利事業(一期、二期)により会津高田町大字松坂地内(当時)に新宮川ダムを築造し、かんがい用水の安定的な水源確保と、頭首工、幹線用水路を新設し、附帯県営かんがい排水事業では老朽化した用排水路の新設改修を行い、用排水系統の合理的な再編を図るとともに、これら事業の推進・管理・負担団体として旧会津宮川土地改良区が昭和59年6月1日に設立された。
また、旧会津宮川土地改良区と旧会津高田町、旧新鶴村、旧坂下中央の各土地改良区は、受益地の大部分が重複関係にあったため、賦課金が二重になるなどの弊害があり、さらに国営事業の平成16年度完了に伴い、ダムをはじめとする施設管理の開始などの懸案もあったことから、これらの不安要素を解消し、賦課徴収事務の一元化、施設管理体制の充実強化、各種ソフト事業の適正な実施など、事務事業の効率的な推進と、組合員の負担感の軽減を図ることを目的に「会津宮川土地改良区」が平成17年3月1日付をもって合併が認可された。合併後の土地改良区においては、それぞれの旧土地改良区が行っていた事業を引継ぎ、経営体育成事業、国営造成施設管理体制整備促進事業、基幹水利施設管理事業、各種補修事業などに取り組み、また土地改良区維持管理計画書にない末端施設についても区の基準により補助を行うなど組合員サービスの向上等、土地改良区の基本理念に近づくよう努めている。
- 本地区では、田んぼの直播栽培による耕作が盛んである。会津美里町にある高田中央地区と八木沢地区では、直播栽培での田んぼ作付け面積218haとなっており、全国でも有数の直播栽培が盛んな地域となっている。
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会津産のコメは、一般財団法人日本穀物検定協会が毎年行っているコメのランクで毎年上位の評価を得ています。特に会津産コシヒカリの評価については「特A」を令和4年度まで10年連続、平成元年度から通算27回獲得しており、有名な新潟魚沼産のコメと比較しても遜色ない結果となっております。ぜひご賞味下さい。
区 別 |
市町及び地区別 |
田 |
畑 |
合 計 |
組合員数 |
第1区 |
会津美里町高田地区 |
1,549.2 ha
(-0.5 ha) |
423.6 ha
(-0.5 ha) |
1,972.8 ha
(-1.0 ha) |
1,894 人
(-8 人) |
会津美里町新鶴地区 |
941.5 ha
(-0.1 ha) |
101.6 ha
(0.1 ha) |
1,043.1 ha
(0.0 ha) |
718 人
(0 人) |
会津美里町本郷地区 |
16.4 ha
(0.0 ha) |
0.0 ha
(0.0 ha) |
16.4 ha
(0.0 ha) |
37 人
(1 人) |
会津若松市北会津地区 |
77.1 ha
(0.0 ha) |
7.4 ha
(0.0 ha) |
84.5 ha
(0.0 ha) |
70 人
(-1 人) |
第2区 |
会津坂下町 |
1,193.9 ha
(-0.3 ha) |
113.5 ha
(-0.1 ha) |
1,307.4 ha
(-0.4 ha) |
1,225 人
(-1 人) |
合 計 |
3,778.1 ha
(-0.9 ha) |
646.1 ha
(-0.5 ha) |
4,424.2 ha
(-1.4 ha) |
3,944 人
(-9 人) |
令和6年4月1日現在 ※かっこ内は前年度比
事 業 |
地区 |
備 考 |
基幹水利施設管理事業(県営) |
新宮川ダム |
国営新宮川ダムの管理補助事業
新宮川ダムは県管理 |
基幹水利施設管理事業(団体営) |
宮川頭首工 |
国営宮川頭首工の管理事業
頭首工は会津美里町管理 |
基幹水利施設管理事業(団体営) |
高橋頭首工 |
国営高橋頭首工の管理事業
頭首工は会津美里町管理 |
新宮川ダム小水力発電事業 |
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売電収入による事業収入
Fit制度運用中(〜10月まで) |
鶴沼川防災ダム管理事業 |
|
県営ダムの管理事業
宮川ダム・二岐ダム・栃沢ダムは県管理 |
国営造成水利施設管理強化事業
※R4までの名称:国営造成施設
管理体制整備促進事業 |
|
国営施設の管理補助事業 |
農地中間管理機構関連農地整備事業
(令和元年度〜令和6年度) |
梁田地区 |
ハード事業(施工は福島県)、ソフト事業
会津美里町梁田地区におけるほ場整備事業 |
農業用河川工作物応急対策事業
(令和2年度〜令和6年度) |
佐布川地区 |
施工は福島県
佐布川頭首工の全面改修工事
事業概要(PDF) |
ため池等整備事業
(令和元年度〜令和6年度) |
大窪地区 |
施工は福島県
大窪ため池の全面改修工事
事業概要(PDF) |
農業水路等長寿命化・防災減災事業
(令和5年度〜令和7年度) |
逆水2号堰地区 |
会津坂下町大字船杉地内における逆水2号
堰改修のための調査事業 |
水利施設等保全高度化事業 |
会津宮川地区 |
施設の健全化を確認するための機能診断及び
長寿命化のための機能保全計画の策定 |
令和6年4月1日現在
- 土地改良区とは
土地改良区は、土地改良事業を実施することを目的とし、土地改良法に基づいて設立される公共団体です。
土地改良区が成立すると、その地区内にある土地について3条資格(土地改良法第3条)を有するものは、設立の同意・不同意に関係なく、すべてその土地改良区の組合員となります。(土地改良法第11条)
【参考:外部サイト】
土地改良法とは(Wikipedia)
土地改良区とは(Wikipedia)
土地改良法(e-Gov法令)
- 土地改良区の目的
かんばつ・水害等の防止、農作業の省力化、農地の汎用化、水利紛争の緩和、経営規模の拡大、農村の環境整備等
- 維持管理事業
土地改良法第2条第2項において「土地改良事業」が定義されており、その中で「農業用用排水施設、農業用道路、その他農用地の保全又は利用上必要な施設の新設、管理、廃止又は変更」とあり、維持管理も土地改良事業である。
- 管理
@.施設の機能を保全する行為(維持・保全)
ダム・頭首工等の点検、道路、水路の修繕、水路等の浚渫、草刈り等
A.施設をその用法に従って支配する行為(運用)
揚水機・排水機等の運転、各分水工での配水等。
- 土地改良区の運営
(1)定款
土地改良区を設立し運営するためには、土地改良区の内部規則として定款と規約を規定し、その重要な部分については定款に記載しなければならない。
会津宮川土地改良区 定款 → ダウンロードサイトの定款へ
(2)経費の賦課
土地改良区の事業を達成するために必要な経費は、原則として組合員が分担する義務を負う。
(3)賦課金
賦課金の種類には次の種類がある。
@経常賦課金
土地改良区の事務費(総代、役員の報酬や会議費、職員の給与・手当、旅費、消耗品費、事務所の光熱水費・営繕費、賦課金徴収に掛かる経費等)
当土地改良区では、経常賦課金と維持管理賦課金がこれに当たる。
A特別賦課金
国・県営事業実施における負担金・分担金並びに工事費の支払いや借入金の償還のために徴収される。
当土地改良区では、施設改修賦課金と償還賦課金がこれに当たる。
(4)会計処理
土地改良事業は、地域の利水・農地開発を推進してきましたが、全国的に土地改良施設の老朽化が進行している現在、土地改良施設の適正な管理や適切な更新が求められています。
また、土地改良施設の適切な更新を行うためには、土地改良区の事業活動の実態を財務諸表等に反映したうえで、将来の土地改良施設の維持及び更新に係る費用に対する積立てをしておくことが重要です。
一方で、単式簿記会計では、収支決算書や財産目録に土地改良施設の価額が登載されていないため、土地改良施設の現状や将来必要とされる更新費用を適時適切に把握することはできておりません。
その問題点を解決するため、複式簿記会計を導入し、土地改良施設の資産評価と減価償却を行い、土地改良施設の現在の評価額を財務諸表等に反映させることにより、毎年度の土地改良区の運営に要する費用や土地改良施設の維持管理に要する費用だけでなく、将来の土地改良施設の更新に要する費用の見積額も一体的に把握することが可能となり、長期的に安定・健全な土地改良区の運営が担保されるとともに、土地改良施設の管理の効率化や将来にかかる更新費用の積立て等につながることになります。
また、複式簿記を導入することで、会計処理の透明化を図ることにより不正の防止につながります。
当土地改良区では、平成30年度より複式簿記会計に切り替えて運用を行っております。
農業用施設は、田んぼや畑に必要な期間、水を供給するのが目的でありますが、2次的な役割として次に掲げる役割があります。
- 洪水被害の軽減
大雨の際には、各農業水利施設の監視を強化し、市町村や県、国と連携を密にして、洪水被害を防ぐ管理が実施され、水路の増水に伴うパトロールや施設点検を行い、危険箇所に近づかないよう呼びかけたり、サイレン等をならして危険を未然に防止します。
- 生活用水
各頭首工より取水された農業用水は、農地ばかりでなく周辺集落の生活用水として利用され、日常生活に大変役立っています。
- 防火用水
農業用水は、防火用水として集落ごとに蓄えられ、万が一の火災に備えられます
- 消流雪用水
消雪や流雪などに使われ、私たちの冬の暮らしを助けます。
- 水質浄化
水田や用水路を通るうちに、ろ過されたり、酸素を取り組んで水質が浄化されます。
- 生態系の保全
鳥類を始めとし、動植物の生態系の保全に役立ってます。
- 親水空間の保全
子供の水遊びや釣りなど、潤いと憩いの水に親しむ空間づくりに活かされます。
- 水土里(みどり)ネットとは、土地改良区の愛称です
・水(み)
農業用水、地域用水
・土(ど)
土地、農地、土壌
・里(り)
農村空間、農家や地域住民が一体となった生活空間
・水土里
豊かな自然環境、美しい景観を意味し、おいしい水、きれいな空気など清廉なイメージを表現
・水土里ネット
以下のような意味合いを包含しており、将来に向けた土地改良区の役割と姿を表現
- 地球10周分の水路ネットワーク
土地改良区は、全国の40万kmに及ぶ水路等のネットワークによって農村の健全な水循環を形成し、農地を潤すことにより安全で安心な「食」と「農」の基盤づくりを担うとともに、これが国民共有の財産である美しい農村の基礎ともなっているとの役割を地域及び国民にアピール。
- 農家、地域住民等のネットワーク
人、物、情報のつながりにより、農家のみならず、地域住民や都市住民と連携(ネットワーク)して、「水」、「土」、「里」を創造し、都市と農村の共生対流を促進。
- 資源循環のネットワーク
農村で発生する有機性資源(集落排水汚泥等)の農地への還元など、廃棄物のリサイクルによる資源循環を通じ、循環型社会の構築に取り組む。本地区は、福島県会津盆地の西部を北に向けて流下する一級河川阿賀野川支流宮川の左右両岸に位置し、大沼郡会津美里町(旧会津高田町・旧新鶴村・旧会津本郷町)・会津坂下町・会津若松市(旧北会津村)の1市2町を受益地とする地区である。
農業生産は、水稲作を柱に契約栽培作物、畜産及びキュウリ、インゲン、アスパラ、薬用人参、リンゴ、柿などの農業生産物によって農業経営が行われており、農業に対する依存度は極めて大きい。
この地区の主な水源は宮川・佐賀瀬川を中心とする中小河川、渓流水及び溜池等に依存しているが、いずれも河川流量の不足から恒常的な用水不足をきたしており、既存の堰や溜池などの施設も老朽化が進んできている。